2011年7月28日木曜日

サントリーリザーブ 木村拓哉



ウィスキーって、
いつからオヤジ臭い飲み物になったんだろう。
オヤジ臭くないって言われると、
あらためてオヤジ臭いんだなって再認識してしまう。
僕たちの時代はウィスキーは憧れでした。
スコッチを語り人生を語れる大人になりたいなと、
40過ぎた位から何となく思っていました。
でも戦争も革命も起きなかった時代には、
語るべき物なんて、
本当はないんじゃないかなって最近思います。
おまけに浮気も離婚もしていない。

僕は酒の中でウィスキーがもっとも、
美味しいと個人的には思っています。
たとえ少数派だとしても。
このCMのバカラのグラスのアルクールなんて、
見ているだけで痺れます。
どうやったらあんなにクールにグラスを回せるんだろう。

ウィスキーが若い人が興味を持たなくなったのは、
ウィスキーを飲みながら食事をするというのが、
どう考えても不合理だと気づいた。
いや、もともと不合理だった。
ウィスキーってピーティな物も多いから、
素材のそのものの味が分からなくなってしまう。
もっと言えばウィスキーの味も分からなくなってしまう。
ウィスキーって味わうと言う意味では、
その位繊細だったりもします。
最近ハイボールが流行っている様ですが、
ハイボールにするなら銘柄なんて何でも良い。
正直そう思います。
食事の味を引き立てるならワインや日本酒の方が、
はるかに理にかなっていると思います。
そうゆう意味では焼酎やウォッカも、
割って食中酒にするなら良いと思うけど、
ロックで飲むには、
僕には少し物足りない気がする。

ウィスキーって基本的に何故かまったりしていて、
ウィスキーを味わいながら、
みんなでワイワイやるって想像がつかない。
銀座のクラブはみんな確かにウィスキーなんだけど、
クラブの水割りは大体薄くって、
お店を出る時にはシラフになっていることの方が多い。
あそこは会話を楽しむ為に、
手軽な高級酒として、
ウィスキーを便宜的に出してるに過ぎないと思う。
銀座のクラブで、
お酒の味を味わっている人なんて僕は見たことがない。

ウィスキーはバーで、
一人か二人位で静かに飲む。それが作法の様な気がする。
ウィスキーは食事の味を引き立てると言うより、
その強い個性を味わうから価値があるんだと思う。
断固とした頑固親父の様に、
絶対的に容赦なくその場の主役になってしまうキャラクターが、
僕は好きなんだと思う。

結局、そういう頑固な、いまやトレンディとは言えない、
飲み物なんだと思います。
でも、そんなオヤジな感じがまた良かったりして。

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